
初期の頃はCanonのAPS-C エントリー機であるEOS Kiss X7i、その後ミドル機のEOS 80Dを使って緊縛写真を撮影してきました。軽快で扱いやすく、静物である緊縛写真の撮影には十分な性能の、良いカメラでした。
でも、ずっと心に引っかかっていた、「フルサイズ機で撮りたい」という気持ちが強くなり、フルサイズのカメラを購入しました。
フルサイズで撮ったからといって写真がうまくなる、綺麗に撮れる訳では無いというのは理解しています。
なぜフルサイズへ移行したのか
フルサイズへの移行を考えた理由は大きく2つあります。
ひとつは、暗所でも粘ってくれる高感度耐性。
もうひとつは、明暗の差を丁寧に描けるダイナミックレンジの広さです。
当初はストロボを使って撮影していましたが、2022年からは100Wの定常光LEDに切り替えました。
ストロボであれば、オパライトやソフトボックスを装着しても十分すぎるほどの光量を得ることができましたが、LEDではアクセサリを使うとかなり光量が減るため、ISO感度を上げるか、暗めに撮って露出・シャドウ・ブラックを後で持ち上げるなど、画質にマイナスな要素がでてきました。
僕は陰影のある緊縛写真が好きなので、APS-Cに比べて暗部がつぶれず、ISO感度を上げても耐えられるフルサイズの特徴はとても魅力で、LEDでも、センサーの余裕によって写真の表現力が豊かになるのではないか──そんな期待が今回のフルサイズ移行を後押ししました。
購入を検討したカメラ
カメラのメーカーを変更すると、今まで使用していたレンズはすべて使えなくなるため、当初は現在使用している80Dと同じCanonのミドル機6D Mark IIを購入しようと考えていました。
しかし、使用していたレンズでフルサイズに対応しているのは40mmのパンケーキレンズだけで、他はすべてAPS-C専用のためフルサイズでは使うことができません。
どのみちフルサイズのレンズを買わなければならないなら、Canonにこだわる理由も薄れる。
そう考えて、他メーカーにも選択肢を広げ、最終的に候補に残ったのは、Canon EOS 6D Mark II と Nikon D750 の2機種です。
購入を検討したのは、手が届く価格帯にあるミドルクラスのフルサイズ一眼レフ。
- Canon 5D Mark III、6D、6D Mark II
- Nikon D700、D610、D800、Z5
- Sony α7 II
などです。
CanonからNikonへの移行
Canon EOS 6D Mark II と Nikon D750 どちらも実績のあるカメラで、性能的にも大きな差はありませんでしたが、
こと「高感度耐性」や「ダイナミックレンジ」に関しては、D750の方が一歩リードしているように感じられ、最終的に選んだのは Nikon D750 でした。
ミラーレスではなく一眼レフを選んだ理由
最近のカメラ事情を見れば、ボディ内手ブレ補正や瞳AFの進化もあり、将来性の観点からいえば「ミラーレス一択」です。
各社の新製品もミラーレスに集中しており、今後デジタル一眼レフの新機種が出ることはまずないでしょう。
ですが今回は、趣味として「写真を撮る行為」そのものを楽しみたいという思いがありました。
電子ビューファインダーではなく光学ファインダーを通して被写体を見たい。
シャッターの感触や機械的な操作感を味わいたい。
そうした理由から、ミラーレスではなく一眼レフという選択肢をあえて選びました。
SIGMA 40mm F1.4
カメラと同時に、新しいレンズも導入しました。
それが SIGMA 40mm F1.4 DG HSM Art です。
このレンズは、シネマレンズの描写をスチル用に落とし込んだという、やや特殊な背景を持った製品。
四隅まで解像するというシネレンズの特徴とSIGMAらしいカリッとした描写を併せ持ち、豊かなボケ味、そして色の再現性が特徴とのことで、このレンズを使いたいがためにフルサイズにしたと言ってもいいです。
陰影を大切にしたい緊縛写真においては、高い階調性をもつD750のセンサーと、このレンズの描写力がてもよい組み合わせだと思います。
このレンズは光学性能を最優先に設計されており、サイズや重量は度外視されたモデルで、単焦点レンズにもかかわらず、レンズ単体で約1.2kg。D750と合わせると合計で2kgを超える重量になり、それが少し不安でしたが、僕の緊縛写真撮影では1回の縛りで撮影するのはせいぜい数十ショット、10分前後。
撮り終えたらカメラは置いて、縄を解いたり、別の縛りをしたりと、長時間カメラを持ち続けるわけではないので、2kgでもなんとかなるかと見切り発車しました。
実際、一回緊縛写真撮影をしてみたところ、重いは重いけど、後悔するほどではなかったです。
少しずつ、撮影を再開していきます
ここしばらく、緊縛写真の撮影は停滞気味でしたが、新しいカメラとレンズを手にしたことで、「また撮りたい」という気持ちが戻ってきています。
焦らず、少しずつ、また撮影を再開していこうと思います。
撮影した緊縛写真や、Nikon D750+SIGMA 40mm F1.4 DG HSMの使い勝手なども、今後ブログで少しずつご紹介していけたらと思います。
興味のある方は、また覗いていただけたらうれしいです。
最後に一行でまとめると
長々と書いてるけど、ようはフルサイズが欲しかったんです。
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